SPECIAL INTERVIEW

各界のプロが教える新しいライフスタイルを
ハッピーに過ごすコツ!

今まで10回開催されてきた「プレミアムサービス」イベント。
ここにご登場いただいたライフスタイルの
プロフェッショナルたちがWeb限定で再登場。
変化の多い日々にしなやかに対応しながら、
楽しく、健康的に過ごすコツを教えてくれました。

VOL.3

毎日を輝かせるウェルネスマネジメント​
~もっと楽しく、料理!~

プレゼントイメージ

日々の料理を楽しく手軽にしてくれる
プロのひと手間

ヘルシーとおしゃれを両立し、業界人からも大人気のケータリングサービス「MOMOE」を主宰する稲垣晴代さん。
そんなプロの料理家は一体、どんなお家ごはんを作っているのでしょうか。
日々の料理時間を楽しく、楽にしてくれるアイデアを稲垣さんに聞きました。

※インタビュー内容は、7月30日のオンライン取材時点のものです。

\ さらに… /
暮らしをプレミアムにする
プレゼントが当たる!

 応募期間:2020年9月17日(木)~10月14日(水)
プレゼント詳細はこちら

Profile

稲垣晴代さん

料理研究家

フレンチレストランなどで研鑽を積んだ後、05年にフードケータリングユニット「MOMOE」を立ち上げ。 無農薬栽培の野菜と化学調味料不使用の優しい味わいを大切に、ヘルシーで美しい料理を提供している。 モデルをはじめとした著名人からのオーダーも多数。

コロナ危機でお仕事やプライベートにどのような変化がありましたか。

大人数のパーティやおもてなし向けのケータリングが難しくなってしまったので、個人の方や雑誌の撮影現場向けにお弁当をお持ちするようになりました。これまでのように仕事がたてこまなくなったこともあり、時間にゆとりができたことが一番の変化かなぁと思います。
それまではいつも時間に追われていたので、洗い物を最小限にしてチャッチャと済ませられる「ワンプレートご飯」が我が家の定番でした。
でも仕事の内容が変わって時間ができたおかげで自然とおかずの品数が増え、ここ半年の食卓はご飯と汁物におかず3品くらいが基本に。小鉢やお盆を多用して「定食スタイル」にすることも多く、健康面にも配慮できるようになりました。

image 品数と栄養のバランスを考えた彩り豊かな定食メニュー

コロナ禍で平日の調理を楽にする方法を教えて下さい。

今は頻繁にお買い物もしづらいですし、行ったとしてもサッと終わらせられるようにしたいですよね。そういった意味でもオススメは、目についた旬の野菜やくだものをぱぱっとまとめ買いすること。
基本的に旬の食材は安いですし、冬なら体を温めてくれる作用があったりと、健康面でもいい事づくし。秋の食材ならきのこやさつまいも、栗もいいですね。ぶどうや柿といったくだものもおいしい季節です。
そうして野菜とくだものを選んだら、次はそれに合いそうな肉や魚といったタンパク質を選びましょう。「きのこは鶏肉と一緒にクリーム煮」とか、「さつまいもは豚肉と炒めてみよう」みたいな感じで、買いながら大体の献立を決めてしまうと、かなり日々の料理が楽になるかと思います。

image 「MOMOE」の人気定番メニューのひとつ。
秋においしいきのこを数種類使うことで、複雑な旨味が出ます。
冷蔵で3日ほど保存も可能。

「4種きのこのブルーチーズみそ」

■材料
4種のきのこ
 しめじ・・・1パック
 白しめじ・・・1パック
 ひらたけ・・・1パック
 エリンギ・・・1パック
ブルーチーズみそ
 ブルーチーズ・・・大さじ1
 白みそ・・・大さじ1
なたねサラダ油・・・大さじ1/2
塩・黒こしょう・・・各少々

1.しめじ、白しめじ、ひらたけは石づきを取って、小房に分ける。エリンギは横半分に切り、手で細くさく。
2.フライパンに油をひかずに1を入れて熱し、水分が飛んで焼き色がついてくるまで、から炒りする。
3.2になたねサラダ油と塩を加えて全体になじませる。
4.ブルーチーズとみそを加え、香りが立つまでよく炒め、こしょうをふる。

とはいえ、なかなか献立が思い浮かばないという方も多いかもしれません。そんなときは、買ってきた野菜をとりあえず2パターンくらいに切り分けておきましょう。たとえばキャベツなら「千切り」と「ざく切り」といった感じです。
こうして下ごしらえをしておくと毎回ゼロから料理を立ち上げずに済むし、「千切りキャベツがあるから生姜焼きを上にのっけるか」といったように、献立を考えるときの助けにもなります。
常備菜は食べきれないこともありますが、野菜をカットしておくだけならロスはほとんどありません。たとえ余ってしまってもスープにしてしまえばきれいに使い切ることができます。
そんな感じでここ数ヶ月は3日分の食材をまとめ買いし、お昼ごはんと夕飯の献立を最初に決めてしまっていました。朝はご飯と汁物に前日の残り物なので省いて、昼夜の計6回分のメニューを一度に考えてしまうんです。そうすると日々のストレスや調理にかける時間をかなり少なくできるのではないでしょうか。

応用の効く、使い勝手のいい野菜は何ですか?

野菜は旬のものが一番いいというのが前提で、我が家の冷蔵庫にわりといつも入っているのは、トマトです。味噌汁に入れたり、炒めものの最後に入れると食感も残って味も濃厚になり、トマトソースのような味わいになるので、ジャンル問わずいろいろ使っています。
あと最近ハマっているのは、切り干し大根!煮物はもちろん、水で戻してサラダのようにマヨネーズで和えてもおいしいし、ペペロンチーノ風に炒めてもいい。味噌汁にそのまま入れることもあります。乾物なので日持ちしますから、ストックしておくとなにもないときに重宝しますよ。あ、ただお味噌汁に使うときは量を調節してくださいね。調子に乗ってたくさん入れると切り干し大根だらけになってしまうので(笑)。

image 切り干し大根を使った「切り干し大根のごま酢みそあえ」
すぐ食べても美味しいが、2時間以上おいて味がなじんだ頃が
おいしい。保存は冷蔵庫で3日ほど。

「切り干しだいこんのごま酢みそあえ」

■材料
切り干し大根(乾燥)・・・40g
ごま酢みそ
 白練りごま・・・大さじ1/2
 白すりごま・・・大さじ1
 白みそ・・・大さじ1と1/2
 米酢・・・大さじ1
 きび砂糖・・・小さじ2

1.切り干し大根はたっぷりの水に10分ほどつけて戻し、ザルに上げて水気をよく絞る。長いものは食べやすい長さに切る。
2.ボウルにごま酢みその材料を入れて混ぜ合わせ、1を加えてよくもみ込む。

MOMOEではひとつの野菜でひとつのおかずを作ることが多いのですが、もともとは、なんとかして品数を増やすための苦肉の策だったんです(笑)。でも今ではそういったシンプルな料理が流行っていますよね。たしかにその方が楽だし作りやすいし、彩りも考えやすいんです。
野菜ひとつで一品作るコツは、その野菜が一番おいしく食べられる調理法を自分の中である程度ルール化することです。
たとえば生で食べられるカブはスライスして塩もみするとしたら、もう一品は火を入れておいしく食べられる野菜にしようということで、かぼちゃの素揚げをおかかで和える。こんな風に「ひとつの野菜×ひとつの調理法」で考えると、もう一品が作りやすくなるのではないでしょうか。

MOMOEさんのような“映える”盛り付けの秘訣はなんでしょうか。

image撮影スタジオへのケータリング例。
彩りの美しさはMOMOEならでは。

盛り付けのときに考えているのは、「反対色」。紫の隣は黄色、緑の対角線上はピンクといったように、反対色をうまく使って配置すると締まります。同じようにお皿も、料理とのコントラストで決めていくといいですよ。色の淡い料理には黒や濃い目の茶色のお皿を、反対にビビッドな色味の料理には白いお皿を使うとよく映えます。

image 紫、オレンジ、緑といった反対色を使った盛り付け例。
色鮮やかで見た目のインパクトも大。

そういえば紫の野菜ってお家ではあまり買わないかもしれませんが、茄子は身近な食材で取り入れやすいですよ。色が映えるように素揚げして使うといいですね。紫キャベツもおしゃれに見えますが、これ一個で一品作ろうとするとコストがかさむので(笑)、たとえば緑色のキャベツの千切りに紫キャベツを少し混ぜて、ワンポイントで使うのがおすすめです。
あとお家で取り入れやすいテクニックは、ごま、青のり、おかかをワンポイントで使うこと。素揚げした野菜にポン酢をかけておかかをのせるだけで、お店のような見栄えのする一品になります。

秋の食材を使ったおすすめのレシピを教えて下さい。

いつもこの時期に仕込んでいるのは、塩麹とみりんと塩でマリネした秋鮭です。漬け込んでおいたらあとは焼くだけなので、朝用意しておけば夕飯が楽になりますよ。秋鮭は柚子味噌を塗って焼くのもおすすめです。
秋といえば秋刀魚もおいしいですよね。大根おろしでシンプルにいただくのももちろん最高ですが、煮たりパン粉焼きにしてもおいしいんですよね。あとはカツオもおすすめなので、オリーブオイルで煮て自家製のツナを作ってみてはいかがですか。缶詰とは違うおいしさで、煮たオイルごとサラダやパスタに使えます。冊で安く売っているときにまとめて作って冷蔵庫で保存しておけば2週間は持ちますよ。
今が旬の柿は、お豆腐と練ごま、白味噌、塩で作ったペーストを衣にして白和えにするのが好きですね。うちの子どもは白和えよりカッテージチーズとオリーブオイル、塩コショウで和えた方が好きみたいで、自ら台所に立って作っています。
とはいえ、こんなことを話して料理を仕事にしている私ですら、週に一度は料理が嫌になります(笑)。そんなときはすっぱり出前をとってしまいます。

image 秋から冬にかけて旬なみかん。
「デザートみたいなおかず」という、
意外性ある一品にぜひチャレンジを。

「だし汁漬けみかん」

■材料
みかん6個分
 みかん・・・6個
漬け汁
 だし汁・・・350ml
 白しょうゆ・・・大さじ2
 きび砂糖・・・大さじ2

1.みかんは皮をむき、横半分に切る。
2.鍋に漬け汁の材料を入れて火にかけ、一煮立ちさせて火を止める。
3.保存容器に1を入れ、2を熱いうちに注ぎ入れて冷まし、半日以上おく。

料理を楽しく続けるコツは、既存の料理の方程式にあまり縛られないことかもしれません。ゴーヤならゴーヤチャンプルとか、茄子だったら麻婆茄子みたく用途を決めすぎず、今日はゴーヤを揚げてみようかなとか、茄子は酢で和えてピクルスにしてみるかとか、いろいろチャレンジしてみるといいと思います。
調味料も、「甘い/辛い/酸っぱい/しょっぱい」という大雑把な味の方向性だけで考えたほうが、味の変化が楽しみやすいですよ。
たとえば甘みが欲しいときは砂糖だけでなく、みりんやジャム、メープルシロップやはちみつで代用してみる。すると調味料によってコクが出たりさっぱりしたりして、微妙な変化が楽しめるんです。レシピに「しょうゆ」とあるところを、ナンプラーや白たまりに変えてみてもいい。
そうやって置き換えてみることで自分の味ができていくし、マンネリすることなく料理を楽しめるかなって思います。

image momoe監修のオリジナルジャム。
照り焼きチキンなど、みりんか砂糖などの甘味の代わりに
加えればフルーティでコクが出ます。

私はあまりおしゃべりが得意じゃないし、「みなさんの好きなようにやってください!」とか言ってしまうので、料理教室の講師には向いてないんです(笑)。なので、以前ルミネのイベントに登壇したときも大丈夫かな……とハラハラしましたが、参加してくださったお客さまは和気あいあい、自由におむすび作りを楽しまれていて。みなさんもぜひそんな感じで、普段の料理こそ肩の力を抜いて自由な発想で楽しんでほしいなと思います。

image

【本文中で紹介したレシピはこちら】
『MOMOEの作りおき 1つの食材で作る小さいおかず』
著:MOMOE(宝島社より、1,300+税)
毎日の「あと1品」に応えてくれる、MOMOEの名レシピ集。
おかずを組み合わせることでお弁当やワンプレートごはんにも対応可能!

稲垣さんが登壇した「ルミネプレミアムサービス」のイベントレポートでは、料理がおいしくなるひと手間をレクチャーしてくれました。ぜひそちらもチェックしてみてくださいね。

イベントレポートはこちら 

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